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石居麻耶 ”星の還る街” 

西武池袋本店アート・ギャラリーにて石居麻耶個展「星の還る街」が開催される。

石居氏は「日々、心に残りゆくもの」をテーマに日常のシーンを切り取り、アクリル絵の具とペンを用いてボードの上に描いていく。今展で石居氏が描くのは都会に浮かぶ夜景約15点。暗がりの中、窓ひとつひとつに垣間見える誰かの物語。石居氏はその向こうに想いを馳せ、光を集め、影とのコントラストの中緻密で暖かみのある景色を表現する。それは見落としてしまいがちな、日々の中にある小さな光。きっと忘れかけていた大切な想いを喚起させてくれることでしょう。

「星の還る街」 / 石居麻耶

今夜、空に星が見えなくても。

日々訪れ来る夜、街にまばゆいばかりに灯されている様々な明かり。
誰かのために、何かのために。

昨日あなたを照らしていた明かりが、
今日のあなたに続いているということを
考えたことはあるでしょうか。

夜の明かりに思うのは、安らぎとまごころと、帰るところと、
恐らくは、雑踏に紛れている旅人の行方。

深夜の闇の向こうでは、少なからず誰かしら傷ついていたような日々でさえ
朝を待たず行ったり来たりする高速の車をやさしく見守り、
まばたきを惜しむテールランプと薄れつつある横断歩道が、
十字路の街灯と手を取り合いながら
今日もアスファルトにさりげなく光跡を描いているのでした。

目に映るものだけが視界の全てではなく、
あるときは遥か彼方の地のことを、あるときは手の届かない場所のことをも、
そしてまたあるときは、遺された意志と紡がれた想いというものでさえも、
夜の街に浮かび上がる様々な明かりの上に見ていたりしたのです。

流れ星に託された願いが運ばれる頃、
八方ふさがりの闇を夜の明かりがゆるやかに溶かしてゆきます。

窓の向こうはとても静かで・・・

明日を思うことで、昨日という日を輝かせながら今日を生きてゆこうと思えたなら、
日常のとりとめの無い記憶の中から思い出というものがまたひとつ、
無数の明かりがきらめく街において、
新しい日々の道標となる希望の星になったと言えるのかもしれません。

ただ穏やかにそんなことを思うのです。

【石居麻耶個展】
星の還る街
会期:2011年4月12日(火)-4月26日(火)
場所:西池袋本店6階[中央ゾーンB7]=アートギャラリー

石居麻耶 / Maya Ishii  略歴
1978 千葉県生まれ
2002 東京藝術大学 美術学部 デザイン科卒業
2004
東京藝術大学大学院 美術学部 デザイン専攻描画造形研究室修了

【個展】
2004 レスポワール展 石居麻耶個展(銀座スルガ台画廊 / 東京)
石居麻耶個展ー親愛なる日々の光景ー(ごらくギャラリー / 東京)
石居麻耶展ー日々、心に残りゆくものー(ピガ画廊-PIGA1- / 東京)
2006 石居麻耶展ー彼方より来たるものー(ごらくギャラリー / 東京)
2007 石居麻耶 paper works (YOKOI FINE ART / 東京)
2008
石居麻耶個展ー見果てぬ夢 One day,one life,one more dreamー
(Bunkamura Gallery / 東京)
2009 “東京少年少女”(YOKOI FINE ART / 東京)

“海の歌”(YOKOI FINE ART / 東京)
“きらきら”(YOKOI FINE ART / 東京)

【グループ展等】
2005 財団法人佐藤国際文化育英財団 第13・14回奨学生美術展(佐藤美術館 / 東京)
2007
アートフェア東京2007(東京国際フォーラム / 東京)
YOKOI FINE ARTオープニング展 『挑戦』(YOKOI FINE ART / 東京)
Art in Dojima 2007(堂島ホテル/ 大阪)
Bunkamura Art Show 2007-extreme meet-(Bunkamura Gallery / 東京)
ART BEIJING 2007(National Agricultural Exhibition Center / 北京)
東京コンテンポラリーアートフェア2007(東京美術倶楽部 / 東京)

【受賞】
2001 安宅賞奨学金賞受賞
2002 東京藝術大学美術学部デザイン科卒業制作 デザイン賞受賞
2004
東京藝術大学大学院美術学部デザイン専攻描画造形研究室終了制作 
サロン・ド・プランタン賞受賞
【出版】
2005 画集『或る日々の光景』初版発行(新風舎 / 東京)
【パブリックコレクション】

佐藤美術館
八千代松陰高等学校

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